シンプルヒーターオーブン付き 作製日記
久しぶりのブログです。
昨年(R2) 10月に山梨県北杜市でメイスンリーヒーターを作成したときの日記です。 炉を2重構造、その他を1重構造の比較的安価で作ることができるタイプです。 R2年1月にポーランドワルシャワからビルダー仲間を招いて作ったヒーターと基本構造が一緒です。 欧州、特にポーランドをはじめ、東側ヨーロッパではこのようなシンプルで安価なレンガヒーターが主流なようです。
今回は、お客さんの要望でレンガを見せる仕上げになりました。この仕上げは目地の幅や水平をきっちり守らないと
いけないので、非常に手間がかかります。
燃焼温度が特に高くなる部分に耐火部材を使い、その他は赤レンガを使います。 赤レンガでも、500℃は耐えることができます。
白く見えるのはセラミックペーパー3ミリ厚。炉が熱により膨張した時に、外側の赤レンガと干渉しないための隙間を作ります。手前のレンガ開口部を覆っているのは、ガルタイトという金属板で、これが高温になる赤レンガを保護し、同時にドア金具を取り付けるためのブラケットにもなります。
炉の上に位置するオーブン。上部はアーチをはじめ、複雑なカットで時間がかかります。
これは通称ブラック・オーブンと呼ぶ、煙が通過するタイプのオーブン。薪が燃えている時は高温になりすぎるので、調理は燃焼がほぼ終わった後に行います。 燃焼庫にまだ炭状の薪が残っていれば、相当な時間、温度を調理用に保つことができます。
ちなみに一方で、燃焼の煙がオーブン内に入らない、つまり燃焼庫から伝わる熱で調理するオーブンを、ホワイト・オーブンと呼びます。
余談ですが、アメリカでは最近の肌の色でのトラブルが続き、ヒーター仲間の間ではこの「ホワイトオーブン・ブラックオーブン」という呼び方を改めよう、との動きも出ています。
炉が完成して、フェーシング(Facing)と呼ぶ外殻の赤レンガもだんだんと組み上がります。アーチカットは苦労したけどキレイに収まりました。
レンガ積みが完成。耐火レンガ約200個、赤レンガ600個。その他スラブ、モルタルなどで総重量2.5トン。
屋根を開口して、煙突を接続する。 作業は瓦屋さんとのコラボです。
工事最終日にめでたく初火入れです。左から、そのお宅のリフォームを請け負っている鈴木棟梁、時折手伝いに参加してくれた小諸のガーデナー和久井さん、期間中助手を勤めてくれた女性養蜂家の岩切さん、と私。
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