静岡・伊東 ヒーター製作2014
Ito, Japan Heater build 2014
2014年5月~6月に静岡県伊東市でコントラフローヒーターを製作した記録。 アメリカ・ニュージャージーからFireworks masonryのブライアン・クリプフェルを招いて行われる予定で準備していたところ、そのひと月前にあったMHAのミーティングで顔を合わせた他のメンバー、フィラデルフィア近郊からMHAのバイス・プレジデント、マーティ・ピアソンと、カナダのトロント近郊からStonehouse Potteryジェシカ・スタインハウザーが急遽飛び入り参加をすることになった。
国内からは、愛知県の造園業&レンガ職人、プランツトリップ代表の加田優一、薪ストーブ販売・メンテナンスを手がけるショルン代表の西川博之が参加。
現場は伊東港から程近い、有名な温泉ホテルの並ぶ街中にある既存住宅。 今回大々的なリフォーム計画のなかにコントラフローの設置を依頼していただけた。
出発の日。 かなりの部材を事前に運び込んでおいたにもかかわらず、工具や4人分のスーツケースなどで満杯。
伊東港。 海岸から徒歩で20分ほど山側に上ったところの家が現場。
計画当初から悩みのタネであったのがこの高低差。 道路から家の玄関まで垂直に6mほどある。 メイスンリーヒーターは総重量優に2トン以上。 これだけの材料を人力で運び上げるのは相当な労力である。 施主さんが、電動のケーブル式リフトを用意していてくれた。
リフトで上げたレンガを運びいれる加田のオヤカタ。 レンガを数個いっぺんにつかむキャリアはマーティがアメリカからもってきてくれた。
材料があらかたそろうと、レイアウトを決めていく。 基礎となるコンクリートのスラブは事前に地元業者によりつくってもらっておいた。
ひとたび設置位置が決まると、具体的な製作作業が始まる。 ドリルで孔を開けているのは、耐震金物用のアンカー。
複雑な構造を図面に従い組んでゆく。
ヒーターの上は吹き抜けになっている。 上からの作業風景。
ジェシカはこの設計のヒーターには慣れていないものの、ちょっとした手ほどきでコツをつかみ、器用に作業を進める。
日本人スタッフも積極的に作業に参加。 マーティが肩越しに技術指導をする。
現場に寝起きして、まさにキャンプ生活。 数日でリズムができてくる。 ジェシカが朝食の支度を手伝ってくれる。 メロンを切るのは鎌。
作業にもリズムがついてくる。
家にはなんと源泉賭け流しの温泉が接続されている。 仕事のあとの露天風呂は最高のひととき。
このプロジェクトが地元の伊豆新聞に紹介された。
コアが完成。
仕事のあとのくつろぎタイム。
フェーシング(外壁)のレイアウトをきめてゆく。
耐震用の金具も固定される。
西川が煙突の設置工事に入る。 階下では赤レンガの外壁が着々と積みあがる。
完成まであと一息。煙突の目鼻がついてきた。この日で西川が現場を去るので、全員で記念撮影。
外壁(フェーシング)が完成。
夜になるとシェフと化する加田のオヤカタ。 炭火焼き鳥が大好評。
食事ネタもうひとつ。 伊東駅近くに見つけた、佐野実氏の弟子が経営する「支那そばや・福々亭」。 繊細な味わいに驚愕し無言で麺をすする来賓。
ファイバーグラスメッシュを入れたセメントコーティングを施して、下地を作る。
仕上は天然石を30-50ミリにスライスしたもの。 数箇所の産地のものを色味とみながら、地域の年配の石工さんが施工。スラブ(板状の石)とドア回りの石はコンクリートにもみえるが、これは長野・上田産の上田石。