top of page

Wood, Stone

& Fire

ウッド ストーン 

& ファイヤ

    Home Improvement Services 

   & Wood-Burning Specialties

 

By Peak Home Builders

 ピーク ホーム ビルダーズ

薪の話

 

薪を買う

どんな高性能なストーブでも、効率よく健全に燃えるには、良い薪が必要であることは言うまでもありません。 ところが、これだけ森林の多い日本で、良い薪を身近なところから安定して、安価に買おうとすると・・・ これがとても難しいのです。  そのあたりが、日本では「薪を使った生活」を特別な存在にしてしまっているのではないかと思います。 

まず、多くの薪ストーブユーザーがナラ、ブナなどの広葉樹を好んで焚く傾向があり、針葉樹2次林(スギ、ヒノキ、マツ)の多いこの国ではそもそも需要供給のバランスが合いません。 

一般的に関東甲信越で、広葉樹薪を業者から購入すると、1000kg(1トン)で¥60000くらいが相場のようです。または350kg積みの軽トラック一杯で¥20000-25000でしょうか。  

家庭における薪の消費量はそれぞれ大きく違うものの、一般的には1日に15kg~(450kg/月)、多いところで30kg(900kg/月)くらいかと思います。

つまり、1000kgを¥60000で購入したとすると、ひと月の薪代は少なくとも¥30000、消費の多いところでは¥50000以上になってしまいます。 暖房の期間を短くみて4ヶ月とすると、¥100000~200000/年となり、つまり、買った薪での暖房はよほど経済的余裕のある人でなければできません。 

針葉樹薪であれば、上記の半分ほどの金額で手に入るかと思います。 たとえば、当社からそれほど遠くない、東京都檜原村では、スギヒノキの薪が0.7㎥(約軽トラ1台分、250~300kg)で¥11000(R3年3月現在)で売られています。  

IMG_0125[1].JPG
HMIH2353[1].JPG
firewood.jpg

​東京あきる野市にある、原木買取所。ここは選別して紙の原料となるウッドチップ工場などへ出荷するが、サイズや虫喰いの規格外品を希望者に無料でわけてくれる、薪ストーブユーザーにとってはまさに宝の山。 

​簡易薪棚。割った薪を棚に積み上げてあえて雨ざらしで数か月置き、梅雨明けころ屋根のある棚に移動するのが乾燥への早道と言われている。広葉樹は春に割って次の冬に乾燥が間に合わない場合がある。

薪を作る 

自給自足が理想形です。一番金銭的負担を低くすませる道です。そこで、薪を自分で作る話をします。  

山でも所有していない限り、自宅の敷地に毎年薪にするだけの木が育つという人は極めて稀でしょう。ほとんどの人はどこかの伐採で出た木をもらうか、林業の方から買うことのなると思います。

原木が入手できたとして、大きく重い原木をチェンソーで切り(玉切りとよびます)、油圧薪割り機もしくは斧で割るのは、大変な重労働です。  

ちなみに経験上では、一人でチェンソーと薪割り機で作業して1時間で約100kg、半日で400kgほどの薪を切って割ることができます。2人作業だとずっと作業効率が上がり、半日で軽く1トン以上を作ることができます。 もちろんこれは湿った薪なので、乾燥させると2~3割ほど重量は減りますが。 一度にひとシーズン分(2トン~)を作るのは大変ですが、うちではこれを年明けくらいから始めて、仕事の合間や、週末に何回かに分けて作業します。理想では3月いっぱい、遅くとも4月には翌冬の薪を作り終えます。 3月でも、晴れの日には汗だくになりますので、そういった意味でも早めの作業がお勧めです。 ストーブを焚くシーズンが終わるころに、翌シーズン(翌々シーズン)の薪棚が一杯になっている光景を見るのはとても満足感のあるものです。

特にメイスンリーヒーターには太めの薪が向いているのですが、その分乾燥にも余計に時間がかかります。 うちでは2年乾燥の薪を焚いています。 特に広葉樹の場合は2年越しで乾燥させたものが好ましいと言えます。 

水分量については、焚こうとする薪を手斧で2つに割り、その割った面を水分量計で測ってみるのがベストです。 18-20%がメイスンリーヒーターで焚く薪の最適な水分量だとされています。15%を切ると乾きすぎ、25%を超えると湿りすぎで、いずれも燃焼に支障(黒煙、白煙など)がでます。

湿った薪

はそもそも絶対に焚いてはいけません。 薪に含まれた水分を蒸発させるのにエネルギーが使われてしまい、温度が上がらないばかりでなく、低温の不完全燃焼が原因でクレオソートなどの有害物質が発生します。これが環境汚染、ひいては健康に害をおよぼします。​ ​また、ストーブ本体や煙突の内部を汚損してメンテナンスが必要になってしまいます。

針葉樹

が​一般的に薪ストーブに不向きだと思われていることは前述しましたが、これは事実ではありません。あくまで乾燥状態と、割る際の太さに留意すれば、燃料として焚くことは十分に可能です。 特に、メイスンリーヒーターでは針葉樹であっても十分に暖房性能を発揮することができます。 針葉樹は密度が低いため燃焼が早く、結果温度が上がりすぎることがあるので、あえて割り方を大きくする、または炉に隙間なくならべるなどの工夫は必要です。

針葉樹は供給が多く薪としての需要は低い傾向があるため、丸太を買うとしても安価に入手することができます。 4mの原木で業者販売でも¥5000/トンくらいでしょうか。 一方で、広葉樹の原木を買おうとするとこの約3倍、¥15000/トンは覚悟しなければなりません。供給量も多くないので、探しても無い場合が多く、また年々価格も上昇しているようです。 

薪の質量と得られる熱エネルギーは比例します。 つまり1kgのスギの薪と、1kgのナラの薪は同じ火力(エネルギー)なので、あえて高い広葉樹を薪にする必然性はないことがお判りでしょうか? 更に、メイスンリーヒーターの場合は、火を長持ちさせて焚く必要がないので、これも針葉樹に向いていると考えられる理由のひとつです。

針葉樹薪は強いて言うと、広葉樹と同じ重量を得るためにより多く薪割りをしなければいけなかったり、それを乾燥させる棚が余分に必要であったりします。同じ重量だと、針葉樹の方が体積が大きくなるからです。 それでもなお、当社は入手しやすい針葉樹薪をお勧めします。 スギ、ヒノキ、マツなどをどんどん薪にも利用して、日本の放置された2次林の林業を活性できたらこんなに良いことは無いと思います。多少ながら花粉症の撲滅にもつながると思います。

買う or 作る

いずれにしても、薪を手に入れるのはそれほど容易いことではないことを念頭においていただきたいと思います。これから初めて薪ストーブの導入を検討する場合は、ご自身の置かれた環境を今一度振り返り、薪を自分で作ることが可能か、もしくは安価な入手ルートがあるかを検討するのはとても重要です。 メイスンリーヒーターは魔法の暖房装置ではありません。燃料となる適切な薪があってはじめて機能します。 

bottom of page